「菊切手」は偽造切手の方がプレミア
投稿日: 更新日:2018年4月20日
ロングランのプレミア切手「菊切手」
(引用:切手専門店マルメイト「菊切手1銭」)
菊切手は中央に大きく菊の紋章があしらわれており、コレクション切手としても人気の高い切手です。
菊切手は、他の切手に比べて長い期間使用されていた切手で
1899年から1908年までの発行と、この時代の他の切手に比べればかなりのロングラン。
菊は天皇家の象徴。日清戦争や日露戦争で日本が勝利を収め、日本中が勝機に沸いていた時代の切手です。
この菊切手の後は、一般公募にてデザインが募られた「田沢切手」の時代となります。
「菊切手偽造事件」とは
菊切手には偽造したものが存在し、本物よりもこの偽造された菊切手の方が高い価値がついています。
大正の2年、郵便局員がこの菊切手の10銭切手に違和感を覚え、よくよく見たら偽造切手であったとのこと。
幸い発見が早かった為、偽造の菊切手は殆ど市場には出回りませんでした。
今の偽造切手といえば切手収集家に向けて製作されるものですが、当時の菊切手の偽造は郵便物としての利用を目的としたもの。
すぐに犯人は御用となったのですが、この事件以来、これまでとの透かしなしの白紙から透かし有の毛紙用紙が採用されるなど、偽装防止の策が図られるようになりました。
偽物の方が本物よりも価値が高いといった切手は大変珍しく、この事件は「菊切手偽造事件」と呼ばれています。