切手の豆知識

在外国局切手とは?

投稿日:   更新日:2018年4月20日

加刷がある切手、ない切手


tyuugoku (引用:kunioの世界の切手紹介と海外写真集)

古い菊切手などに、「朝鮮」や「志那」と加刷されていることがあります。
その切手は在外国局切手と呼ばれ、通常の日本切手とは少し違う種類となり、評価額も異なります。

日本は1876年、中国と韓国の主権を侵し、そこに郵便局を開設しました。
それが「在外国局」と呼ばれる、国外に開設された郵便局。
始めは加刷のない通常の日本切手を使用していましたが、のちに国内と国外とで郵便料金の差が生じてしまうようになります。
その為値段の低い日本切手を現地の価格で買い求めて、日本で売却し差額を利益とする切手の投機が行われるようになりました。
そこで発案されたのが、国名の加刷がされた在外国局切手。
切手の投機を防止するため、その土地でしか使用できないようにしたのです。

「朝鮮」と加刷された切手は、在朝鮮局で使用されていた切手です。
日本は釜山に最初の在外国局を開設し、1905年には全ての通信施設を奪取するようになります。
こちらの加刷切手、1900の1月から1901年の3月末まで、つまり15か月しか使用されなかった切手です。
「志那」と加刷された切手は在中国局で使用されていた切手。
1922年12月末に、在中国局が廃止されるまで使われていました。

加刷された菊切手のカタログ評価額は、在外国局の加刷の有無でも左右されます。
菊切手の8銭は、国内版であれば未使用で美品12000円ですが、朝鮮と加刷印刷されたものだと58000円にまで価格が跳ね上がります。
しかし志那加刷の8銭菊切手の評価額は2500円と、加刷の有無や種類でも切手の価値が変動することが窺えますね。




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