高相場!不発行切手とは:「皇太子結婚式記念」切手
投稿日: 更新日:2018年4月20日
プレミア価値のつきやすい、不発行切手
不発行切手とは、何らかの理由で切手の発行が行われず、世に流通していない切手。
郵便局によって切手の発行や発売の準備が行われているにもかかわらず、発売されなかった切手を指します。
企画の段階で発行が中止になってしまった切手にはサンプル品しかありませんが、
実際に発売に向けて印刷され、あとは販売だけという段階で不発行となってしまった切手であれば、切手そのものが存在します。
中国切手の「中国山河は赤一色」も、台湾が赤く塗られていないためすぐに回収となり、流通量が極めて少ない切手となりますね。
不発行切手のほとんどは郵便局により処分されるのですが、一部は処分を何らかの形で免れ流通するケースがあります。
極めて希少価値の高い切手のため、どれも総じて高い相場で取引されている切手となります。
国内で唯一の不発行切手「皇太子結婚式記念」切手
(引用:お札と切手の博物館「皇太子結婚式記念切手 3銭」)
日本の不発行切手の代表格といえば、大正12年に発行予定であった「皇太子結婚式記念」切手ですね。
透かしなしの用紙で、凹版印刷と凹版印刷の同時実施と非常に精巧な技術で製作された記念切手であったといえます。
1と1/2銭切手と3銭切手の図柄は霞ヶ浦より見える筑波山、8銭切手と20銭切手のデザインは霞が関の東宮仮御所となっています。
皇太子結婚式記念切手は、11月に予定されていた皇太子の結婚式を記念し発行される予定の記念切手でした。
しかし大正12年・1923年といえば、かの有名な関東大震災の発生年。マグニチュード7.9の巨大な地震で、日本史に残る大災害となりました。
関東大震災の発生により、予定されていた結婚式は延期。
切手は既に印刷され、あとは発行を待つのみという状態でしたが、震災により本庁舎や切手の保管庫、そして印刷局も焼けてしまった為、やむなく皇太子結婚式記念切手の発行も断念されました。
原版も完成品も地震で共に消失してしまい、絶してしまったかに思われたこちらの皇太子結婚式記念切手。
しかし当時の信託統治領であった南洋庁、パラオへ向けて事前に発送されていた皇太子結婚式記念切手が8000枚到着していることが判明。
急遽日本へと返送し、皇族専用にと記念印つきで非公式にて配布しました。
こちらの皇太子結婚式記念切手、延期となった1月の婚儀の際に、きちんと献上されたようですよ。
その一部が流れながれて切手愛好家の手に渡り、不発行切手ではありつつも生き延びた切手として、高い相場で取引されています。
非常に高相場!プレミア付きの不発行切手
切手カタログの評価額は最も希少価値の高い8銭の切手で、なんと2200000円もの評価がついています。美品であれば2500000円にも上るそうで、かなり心躍るプレミア切手となっています!
その他の1と1/2銭切手の評価額は、美品で18万円、そして20銭切手であれば38万円程の評価額がついており、どれも相場が高い切手となっています。
日本で唯一発行されなかった切手である、こちらの皇太子結婚式記念切手。
3銭切手は約千組のみ存在し、希少価値が極めて高い切手となります。
もし皇太子結婚式記念切手をお持ちの方がいらっしゃれば、是非とも切手買取店で一度査定を受けてみてください!